耐震偽装とIT業界

耐震強度偽装事件は“他人事”か」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20060218/229753/
なんか、建築業界でもIT業界でも、偽装やら詐欺やらが起こると、必ず「技術者の倫理観がおかしい」とかいう論調になるんだけども。
ここで言われてる「技術者」っつうのは一般社員なわけですよ。
一般社員の「倫理観」を問う前に、雇い主である企業の商道徳を問わないのはなんでなんでしょうね。
「技術者」っていうとなんか別な人種のように思ってるのかもしれませんが、その正体はただのサラリーマンですよ。
霞を食って生きてるわけでない以上、会社で働いて給料をもらわないと生きていけないんです。
「コストをここまで下げないと、お前、クビね」って言われれば、とにかくコストを下げるしかないでしょう。


何も技術者に限った話ではありません。
もっとも倫理意識の高いはずの警察官だって、上司の指示に従って裏金をプールしてるじゃないですか。
「悪いことだと思っていたけど、上司には逆らえなかった」って言ってるじゃないですか。
「倫理観」では飯は食えません。
「技術者の倫理観」を言うのなら、正しい「倫理観」を給料に結びつけない企業の商道徳をこそ問うべきではありませんか?